オールドヴァイオリンのメンテナンス(高湿度・梅雨時期対策)


おはようございます!


オールドヴァイオリン専門店

㈱ダ・ヴィンチヴァイオリン

代表の山口保行です。



梅雨の時期になりました。

日本で楽器のメンテナンスで悩まされるのが梅雨の時期です。ヴァイオリンは演奏するための物ですから、演奏に支障が出ないように気を付けるポイントを紹介します。


今回は演奏で特に重要な糸巻き(ペグ)の話です。弦楽器は調弦(チューニング)が必要ですが、この梅雨時期で湿度が高い雨の日はペグを動かすのに「きつく」なって回しにくく音合わせが難しいですね。特に手の小さいお子様や力の弱い女性には厳しいかと思います。


このような時に自分でも対処できる簡単な方法が2つあるのでそれを紹介しましょう。

それは、


①弦の巻き方を変える

②ペグコンポジションを塗る


です。「なんだ、そんなの知ってるよ」という方もいらっしゃると思いますが、お子様がヴァイオリンをやっているお母さま方には分数ヴァイオリン特有の事情もありますので最後までお付き合いいただけると幸いです。


では写真で解説しますので、必要な方はぜひトライしてみて下さい!




① 弦の巻き方を変える

まず、ペグボックスを正面から、各ペグを見ます。


その時に、「弦の巻き終わり」がペグボックスの内壁に「付いている」「離れている」かを確認しましょう。


弦の巻き終わりがペグボックスの内壁に「付いている」場合


1番(E)線(緑色)

2番(A)線(黒)



「離れている」場合:3番(D)線(ピンク色)

4番(G)線(茶色)

D・G線は壁から離れているのが分かりますか?ポイントは「巻き終わり」です。内壁から「離れている」弦は梅雨時はこのままで大丈夫ですので、「内壁に付いている」弦の巻き方だけ調整していきましょう。

注:読者の皆様がこのポイント(弦の巻き終わり)をより理解しやすいように、木材やニスの濃いオールオヴァイオリンではなく、モダンヴァイオリンと、明るい色の柘植(ボックスウッド)の糸巻き(ペグ)の組み合わせの写真と採用しました。


湿度の高い梅雨時期、雨の日は楽器の木材が湿度を吸収しますので、楽器のペグホールが狭くなり、結果としてペグを回すのが「きつく」なります。



従いまして、この時期は弦の巻き終わりをペグボックスの内壁から「離して」巻くようにすると調弦しやすくなります。巻きなおす時の注意点として、弦を差し込む穴の位置が「内壁から遠い」場合は問題ありません。



でも穴が「内壁に近い」「ペグボックスの幅が狭い」場合は

・巻き始めは反対側に少し巻いて弦をクロスさせるように巻く

もしくは

・弦の先端を少し短く切ってしまう


と良いです。「弦を切る」なんて、と思われるかもしれませんが、楽器サイズ、弦長、弦自体の長さ、ペグ穴の位置はそれぞれですから、あまり深く考えずに方法の一つとして知っておいて損はありません。


特にサイズ共用の分数弦(例:1/2・3/4共用の弦)などですと弦の長さがサイズの大きい楽器に合わせて作ってあるので、下のサイズをお使いの場合はペグボックスも狭い(ペグ穴位置も壁に近い)ですから弦を切ることは、弦をきちんと巻く(音程が安定する)ためにも必要でしょう。


ただし、弦を切るときは1センチくらいずつ切ってキレイに巻けるくらいのちょうど良い感じに仕上げてください(乾燥する時期には逆に内壁につけるため長さが必要になります)。


フルサイズのヴァイオリンをお使いの方はE線がテールピースにあるアジャスターで調弦することが多いので普段は「内壁に付いた」状態でも良いかもしれません。いろいろと試して使いやすいように調節してみて下さいね。



② ペグコンポジションを塗る


これはペグコンポジションという「クレヨン」「口紅」みたいな物をペグホールに接触する部分(左右2か所です)に塗るだけです。減らないので1本買えば恐らく一生使用できます。

ペグの汚れている部分がペグボックスに接触しているところです。この2か所に少しずつ塗っていきます。

逆に調弦の時にペグが止まらなくなることがあるので塗り過ぎにはご注意ください。塗り過ぎて止まらなくなってしまったら、今一度取り出してティッシュで拭いて対処するか、逆に内壁に付けて巻きなおすことで対処しましょう。下の画像ですが、塗っているのがわかりますか?


両方併用しても良いですね。

③ ①と②の組み合わせ


①か②を試してもまだ回りにくい場合は、両方を同時にやってみる、ペグコンポジションを多めに塗って試してみましょう。


以上、自分で出来る梅雨時期対策です。この二つをやっても、まだペグの回り方に問題がある場合は、糸巻き自体を交換しなければならないか、使用によってペグホールが大きくなりすぎている可能性があり、その時はブッシングという穴埋め・新しい穴開け修理が必要になるでしょう。


オールドヴァイオリン、モダンヴァイオリンで穴埋め修理がされていないヴァイオリン、新作(コンテンポラリーヴァイオリン)であっても穴の位置が悪い、また2~30年使用して穴が大きくなってしまったヴァイオリンも穴埋め修理が必要かもしれません。



すべての穴埋め(ブッシング)修理を施したオールドヴァイオリン


特にオールドヴァイオリンを購入する時は「音」だけの判断だけでなく、チューニングといった演奏に直結する部分での修理がきちんと施されているかが大切ですね。


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