オールドヴァイオリン(オーストリア)Anton Thir(アントン・ティール) ca.1760

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オールドヴァイオリン専門店

㈱ダ・ヴィンチヴァイオリン

代表の山口保行です。


本日はオーストリア・ウィーンのオールドヴァイオリン Anton Thir(アントン・ティール)ca.1750~60 を紹介します(英語的だとティアと呼んでます)。この楽器もチョコレート色した素敵な楽器です。弦楽器製作者でも Anton Thir は4人いて、この楽器は恐らく初代Antonで作風・ニスの色から初期のウィーン時代もしくはPressburg(プレスブルグ)の 楽器と考えられます。



1800年くらいまではヴァイオリンの形は現在のストラディヴァリ型ではなく二大巨匠であるシュタイナー型かアマティ型が中心でした。特に現在のドイツ・オーストリア・チェコ等の製作者はシュタイナーの影響が強く形や色にその特徴が出ています。


では楽器の詳細を見ていきましょう。f字孔は典型的なシュタイナー型です。f字が太く(幅が広い)、カーブが丸みを帯びている(尖っていない)のが特徴です。私のブログを見ている方々は大分見慣れてきたのではないでしょうか?


f字孔の段差は結構高さがありますね。これもシュタイナー的です。


この時代の典型、ふくらみのあるハイ・アーチの楽器です。ふくらみを見るポイントは「どこから膨らんでいるか」です。過去の記事(「あなたも分かる!オールドヴァイオリンの鑑定・ふくらみ編」)を参考にしていただければ幸いです。




ペグの穴埋め、指板を新品に交換、ネックの高さ及び角度を調整しました。これで当分何かする(お金をかける)必要はないでしょう。


スクロールです。糸巻きを新しくしてあります。材料は黒檀になります。


渦巻きの裏側が大分剥げています。私はこのような使用跡があると嬉しくてたまりません。「たくさん調弦したんだな~」「何度も何度も机の上に置かれて擦り減ったんだなあ~」とか想像してしまいます。


あまり使用されていないキレイな楽器も良いのですが、私はどちらかというとたくさん使われているが大切にされてきた楽器は特に好きです。


では裏板を見てみましょう。中央部分が盛り上がっているシュタイナー型です(中央が盛り上がっているからシュタイナー型なのではありません)。ふくらみ方は台形みたいに角張ってなく緩やかです。18世紀的オールドヴァイオリンらしさが出ていますね。


新作的な木目バッチリではなく、オールドヴァイオリンに典型な控えめな木目です。製作者の人柄や音に対するこだわりを感じます。


パーツを見てみましょう。

フィッティングは古っぽさがありつつも控えまな感じを出すために木目が見える黒檀(ローズウッドっぽく見えます)を使用しました。同じくあご当ても木目のある黒檀で、主張し過ぎない小さなタイプです。


最上級の駒を使用しました。良い駒というのは、材料の良い部分を使用していて、きちんと乾燥されている物です。良い木材は見た目も良いのですが、職人的には削るとその良さを感じるものです。結果として「仕上がり具合」の良さがあるので、良い物を知ってしまうと安い物が使えないのです。



コーナーとパフリングです。丁寧な仕事ですね。アウトラインに沿った縁取り(色の薄い部分)も良い感じです。これは剥げたというよりも元々濃い茶色のニスをこの部分には塗っていないのです。もちろん下地のニスは塗ってあります。

製作者によって違いはあるのですがティールのヴァイオリンは嫌味が無くジャーマン・オールドヴァイオリンの美しさを感じます。


イタリアンオールドヴァイオリンだけでなく、ドイツ系(ドイツ・オーストリア・チェコ等)のオールドヴァイオリンの良さ、美しさを感じられるようになるとオールドヴァイオリンを見る目が肥えた証拠です。



ウィーンのThir(ティール)はヴァイオリン製作者一族として有名です。ウィーンで活躍した多くの演奏家に支持されたティールのヴァイオリン。この楽器も、もしかすると有名な作曲家たちとも関係があったかもしれませんね。音楽の都ウィーンの音を楽しんで欲しいと思います。


ウィーンのオールドヴァイオリン Anton Thir 価格は下記の画像をクリック!


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