オールドヴァイオリン(ドイツ)Johann Gottfried HAMM (ヨハン・ゴットフリート・ハム)ca.1800
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オールドヴァイオリン専門店
㈱ダ・ヴィンチヴァイオリン
代表の山口保行です。
弓が続きましたが、今日からオールドヴァイオリンの紹介です。今回は、Johann Gottfried HAMM(ヨハン・ゴットフリート・ハム)です。今から200年ほど前に製作されたヴァイオリンです。
HAMM(ハム)はヴァイオリン製作ファミリーとして有名です。ドイツのマルクノイキルヒェンという有名なヴァイオリン製作地で活躍しました。それではハムのヴァイオリンを見ていきましょう。
f字孔はシュタイナー的な丸みのある形をしています。段差もありますが、膨らみが少しあるミディアムアーチのタイプです。
この楽器のアーチ(膨らみ)はエッジ(縁)から少し1センチ前後から始まっています。ドイツの楽器にはよく見られます(もちろん他の国の製作者でも)。
木目が細く均等な表板を使用しています。
弊社で継ぎネック、指板交換をしました。
スクロール(うずまき)、ペグボックスです。穴埋めを行い、新しい糸巻きを入れてありますので調弦も安心です。
このようなチョコレート色をしたダークブラウンの楽器はステージの強い光に照らされるとニスの光沢と相まって存在感が半端ないです。私には意外なんですが、チョコ色の楽器は女性に人気があります。トロトロな感じで美味しそうに見えるのかな?そう言えば、ウィーンのヴァイオリンやフランスのオールドも女性の方でした。
上記の写真でf字孔の先端からヴァイオリン内部に見えるのが「バスバー」(力木)です。オールドヴァイオリンと呼ばれるものは200年ほどの年月が経過しています。音も出ているし、外観的には問題が無いように見えても、実際は内部に問題があってもおかしくありません。この楽器も内部のパーツ、バスバー、上下ブロック、そして全体のアウトラインに沿って横板と表裏板を繋ぐライニングというパーツも新しくしてあります。これで数十年、100年持つ楽器になっています。もちろん交換不要の場合はありますが、これで安心してお客様にお譲りできるのです。
では外観を印象付ける「パーツ」を見ていきましょう。
糸巻き同様、パーツは木目のあるローズウッドです。弊社の場合は楽器に色に合わせてパーツを選択することが多いので、よくあるフィッテイングセット(糸巻き、テールピース、あご当て、エンドピン)を購入するのではなく時間をかけて楽器に合うそれぞれのパーツを別々に選んでいます。
テールピースなんか、この楽器にぴったりのとっても素敵な色をしています。雰囲気あるでしょう?アジャスターもよく使う金色タイプではなく「オールドヴァイオリン」らしくあえて黒にしました。結構好きなパターンです。
エンドピンの部分です。この部分の横板はよくある左右の2枚(エンドピン部分で分かれる)ではなくドイツの楽器に多い一枚の長い横板を使用しています。
次に裏板を見てみましょう。木目がキレイに揃った2枚板です。
中心部分の膨らみがどの程度か、分かりやすいかと思います。オールドヴァイオリンらしい立体感(ふくらみ)が出るように撮影時の光(ハレーション)を入れてあります。
f字孔から除くと裏板内部に「HAMM」の刻印があります。I・G・Hと刻印されることもあります。
正面から撮影しました。ライトが弱く暗いため、見た目は濃い茶色ですが、実物はもう少し明るい色になります。
ドイツ、マルクノイキルヒェンで有名な弦楽器製作者一族、ハムのヴァイオリンはいかがでしたか?ヨハンのヴァイオリンは薄い茶色もあってイタリアンオールドか、と思わせるような楽器もあります。赤茶色もありますがこちらはダークブラウンです。以前紹介したオールドヴァイオリン(記事は こちら )と製作地も同じと考えられているので雰囲気は似ています。ぜひ比較してみて下さいね。
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